「この人は当社に関心がある」と「この人はいま購買している」は別のことです。前者はアクセス数と名刺であり、後者が意図です。バイヤーの意図(buyer intent)とは、バイヤーが言葉と行動から明らかにする購買段階と緊急度のことです。意図が読めれば、営業はどの電話から先にかけるべきかが分かります。
その人が言ったこと。「12インチウェハー向け ALD プロセス装置の認証サプライヤーはありますか」という一文には、製品があり、仕様があり、資格条件があります。「御社は何を扱っていますか」には、そのどれもありません。要望の記述が具体的であるほど、購買段階は通常より後ろにあります。
その人がしたこと。どの製品ページを見たか、誰をお気に入りに登録したか、同種のサプライヤーを何社比較したか、問い合わせを送ったか商談を予約したか。単独の行動から分かることは限られますが、一連の行動は軌跡になります。
レベルの隣には必ず判定の理由が付き、営業が自分で確認できます。たとえば「このバイヤーは2日以内に御社の高圧バルブのページを3回閲覧し、仕様の問い合わせを1件送っています」。理由のないレベルは単なるラベルであり、営業は信用しません。
バイヤーの検索は会期の数か月前から始まり、会期の3日間が最も密度の高い時期で、そのあとにも収束の期間があります。同じバイヤーでも、時点が違えば意図のレベルは変わりえます。会期前はレベル3、会期中はレベル2、会期の1週間後に問い合わせが届いてレベル1、という具合です。意図を時間軸で見るほうが、ある1日の名刺の束を見るよりも事実に近くなります。
まずレベル1から追いかけ、48時間以内に返信します。レベル2は1週間以内、レベル3はリストに入れて長期に育てます。最初のひと言では、その人が尋ねた質問に、その人の言葉でそのまま答えます。
会場全体のバイヤーの意図を非識別化し、領域ごとに集計すると、それがこの展示会の需要マップになります。どの領域の質問が多く、どれだけ具体的に尋ねられているかが見えます。出展営業と会場構成の根拠になるもので、詳しくは〈需要と供給の対照〉をご覧ください。バイヤーの個人連絡先が出展社に渡ることはありません。出展社が見るのは要望の内容と行動の証拠であり、双方のやり取りはプラットフォーム内で行われ、バイヤーはいつでも受信を停止できます。